E-300とKiss Digital N

 ともに価格的にはエントリー機ということだが、今のところE-300を良く使っている。性能的にはKiss Digital Nが一枚上手なのだが、なぜかE-300を使っている。なぜかを良く考えてみたが、以下の理由があるようである。
 まず、Kiss Digital Nであるが、カタログを見てもらいたい。性能的なことはほとんどかかれておらず、あくまで一眼レフをはじめて扱う者を対象とした内容である。しかも、子供をかのパンクバンドのメンバーになぞらえたカタログ。これはもう一体なんのかたろぐなんだろうか?しかし、Kiss Digital N自体は性能的には初心者のみを狙ったカメラとも思えないのだが、販売の方向性としては一眼レフ初心者や女性をターゲットとしている。
 一方E-300は昔ながらの性能を中心にたんたんとしたカタログとなっている。もちろん、ターゲットをKiss Digital Nのように絞り込んではおらず、今まで通りの一眼ユーザーであることは間違いない。
 したがって、このキャノンのKiss Digital Nに対する姿勢が私には非常に気になる。
 腕の方はともかく、20年以上一眼レフを触ってきたが、Kiss Digital Nあたりの購入金額というのは、銀塩時代には、少なくても中級レベルのカメラが購入できる額である。キャノンが想定している一眼レフ初心者や女性が簡単に購入できる金額とはとても思えないのだが。私だって、これだけの金額を支払って得た一眼レフが初心者対象などとは思いたくもない。カメラメーカーは、銀塩カメラから明らかに上にシフトした価格を当たり前の様に表示して販売しているが、銀塩からの移行者にとっては、非常に抵抗がある。なのに、初心者向けだとキャノンはぬかしている。E-300はメーカーのスタンスは、今まで一眼を扱ってきた人向けであり、これは私にも抵抗無いところである。
 もうひとつはカメラの作りである。
 私は、ここ数年は、ほとんどコンパクトデジタルカメラを使用してきたため、一眼レフカメラのサイズや重量に対してかなりの抵抗感を憶えるようになった。したがって、デジタル一眼を選ぶときも、なるべく小さく軽いカメラを探した。E-300は、コンパクトデジタルカメラと比較すると、大きくて重いカメラであり、昔の一眼レフそのまんまである。こんなカメラを常時携帯などとても出来ないししたくも無い。と思っていたのだが、実際に使ってみると、E-300のサイズ重量がなぜかしっくりするのである。このしっくりというのは、非常に使いやすい重さであり、手ぶれなんかも起こしにくいのではないかと思う。Kiss Digital Nは小さくて軽いのだが、デジタルコンパクトカメラの延長上の様で、いまいちしっくりこない。
 コンパクトデジタルカメラからの延長で、自ら軽く小さいカメラを選んだはずなのが、実際に使ってみると、適度の大きさ、適度の重さのカメラが使いやすいと思う。出来るだけ軽く小さくというのは、持ち運ぶ時のことであって、決して撮影するときの条件ではないということを改めて実感した。
 こんなことから、私はKiss Digital NよりE-300をよく使うようになったのである。