iPod 80GとSONY NW-A3000の音質

 AppleのiPod80GとSONYのNW-A3000の音質を比較してみました。環境はまあそこそこのアンプとスピーカーです(かなり古いけど。DIATONE DS-2000HR、Accuphase C-280、DENON POA-3000RG 定価だと100万円超えます)。
 音楽ソースは日本のフュージョングループCASIOPEACasiopea Twin Best Vol.2/Twilight Side。今風の音ではありませんが、芯のしっかりした音で録音されています。
 まずNW-A3000。CDプレーヤーで聞く時と比べると明らかに臨場感がなくなり、音場が狭まった感じがします。目の前での演奏が、突如音は鳴っているが、演奏者が見えなくなった感じです。スネアの芯もなくなり、ハイハットは逆に耳に刺さるような雑音に聞こえてきます。電子ピアノ(電子的に合成されたピアノ音の意味です)の音が、明らかに変わって聞こえます。よくできた電子ピアノ音なのが、ピアノなのに、どんなピアノなのかが特定できないような感じです。しかし、この数万円ほどの、しかも、不可逆圧縮をかけられた音源から、このような音がでるとは、予想していませんでした。これならイヤホーンで聞くのであれば十分のクオリティーを持つと思いました。イヤホーンをよくすればするだけ、音はよく聞こえるようになると思います。
 さて、iPod。これはA3000に増して臨場感がなくなり、音場もぐっと狭まってしまいました。LRのスピーカーの内側に音像が結ぶ感じです。また、ピアノの音が違って聞こえるだけでなく、なんと歪んで聞こえます。他の楽器ではわかりませんが、ピアノ音は明らかに歪んでいます。キラキラ音(星がきらめくイメージの合成された音)のキラキラがかなり弱くなって、聞こえます。スネアの芯はもっと取れて、全体的に作られた音というか、音が痩せて聞こえてしまいます。
 明らかに音質的にはA3000の方が良いと思います。これは、好みという問題ではないと思います。
 さて、感想ですが、まず両機種とも思ったよりCDとの差が少ないということです。明らかに聞くと違いはわかりますが、いわゆる臨場感がうすれるだけで、音質的には、あまり差がない。ということです。
 A3000とiPodに関して、音質としてはA3000が上だと思います。CDに比べ劣りますが、臨場感、音のしまり、高音の再現性は、iPodより明らかに上です。A3000に比べるとiPodの音は全体的に痩せた感じがします。極端な言い方をするとAV機器ではなく、PDA的な音です。
 iPodは音質以外にもどうも気になる点がある。それは、音楽再生中に画面切り替えなどをおこなうと、プチプチプチというノイズが発生することだ。文字が左に移動する場合にも、同じようなノイズが発生する。A3000の場合は、そういったことは一切なかった。こういう点からも、A3000はAV機器であるがiPodPDA的(PC的とも言う)である。
 この音に対するメーカーの姿勢の違いがはっきりしたことで、私のこれら機種に関する感じ方もはっきりしてきた。
 音楽だけを聴くのであれば、間違いなくA3000を選択する。再生時間も間違いなくこちらのほうが長い。周りの受け?や、画像を見たいのであれば、当然iPodを使う。つまり、音にこだわりたいときは、間違いなくA3000である。