BOSESoundlink3

BOSE Soundlink III 37,800円(込)
 1ヶ月に渡ってこれを使う事が出来たのでレポート。

 まず、BOSE Soundlink III(以下SL3)は、パッシブスピーカー(低域を
補うためのダミーのスピーカー。自らは発音できないが、ウーハーと振動
板の形サイズを同じとすることで共鳴させて低音を増強する)が前向きと
後ろ向きに付いているですが、経験上、この手のスピーカーは、セッティ
ング(置き場所)によって、音が非常に変わってきます。
 取説も参考にして、自分なりに良いと思われるセッティンでのレポート
です。ちなみに、和室、畳の上での視聴です。同じ部屋にある和箪笥前か
ら約8cm離し、スタンドで畳上約30cmに持ち上げています。iPhone6SPLUSで、
約60%くらいの音量設定で、イコライジングはOFF(”FLAT”でも同じよう
に聞こえました)です。
 このセッティングだと、サイズの割に良く出ている低音もだいぶ締まっ
てきて、それに伴い中高域のこもり感が薄れ、BOSEらしい、上と下はスパッ
と切って、その上で中低域にボリュームを持たせて、ダンピングよく響か
せる音です。HiFiを求めなければとても気持ちよく聞こえます。

 ところが、LS3は何も考えずにそこら辺に適当にポンと置いて鳴らすと、
全く締まりの無い低域や、カサカサの高域に見舞われ、途方に暮れること
になります。それほどSL3はセッティングに神経質な感じを受けます。

 決してHiFi(死語?)では無いですが、そこそこの低域と、ダンピング
よい中域と聴き疲れない高域がバランスよく出てます。音量によってバラ
ンスが違います。MAXボリュームに近づくと、低域は抑えられ、中高域が前
に出てきます。モバイル時に、MAXボリューム近くで使用しても、思ったほ
ど低域感は無いと言うことです(音の響く床に直置きするか、壁に近づけ
るなど(密着させると、逆に低音が出ない)工夫が必要です)。
 5割〜6割程度のボリューム位置でバランス良く鳴っています。どちらか
というと、ボーカル曲が合う感じで、たまたま、Apple musicにあった西野
カナsecret collection -red- の楽曲が一番バランス良く聴けました。

 しかし、多くの楽器が一斉に発音すると、SL?の限界を超えてしまい、
ノイジーな音がただ聞こえるだけになります(miwa ヒカリへのサビ部分な
ど)。インスツルメントも結構よく鳴ります。ピアノ曲もOK。小編成で音
数の少ない+ボーカル曲が良いみたい。

 有線接続は音もなめらかになって確実に音質は向上します。しかし、
Bluetoothの利便性も捨てがたく、私の場合は、Bluetoothでしか使ってい
ません。

 SONY SRS-X7がたまたま手元にあったので比較しましたが、セッティン
グによる音の違いは、SL3より遙かに小さいです。下も上もSL3より出て
いますし、音はタイトで解像度が高いです。若干音量の不足を感じました。
iPhone6SPLUSで90%くらいの音量でLS3の60%と同程度(あくまでも私の聴
感上)でした。LS3と比べると遙かにモニター的な鳴り方です。音として
の質はこちらが上で解像度も高いのですが、音楽となると、音がバラバラに
聞こえます。これだったら、もっと上があるでしょうって思うんです。
事実後数万円だせばもっと良い音で聴くことも可能です。個性としては
SL3が面白いと思います。もちろん、こちらを
好む方もいらっしゃると思います。特記事項としてSRS-X7は低音がとても
響くんですが、本体が共鳴を起こし、本体位置が少しづつズレていきます。
スタンドから何度か落下しそうになりました。

 さて、もう一つおまけですが、SRS-X88との比較となると、まあ、音楽を
聴くのであれば、SRS-X88が全てにおいて一枚以上上です。モニター的な鳴
り方ですが音楽も十分楽しめるレベルですし、現状価格差は余りありませ
んので(2016年6月8日現在税込みSL3 37,800円、SRS-X88は40,000円程度)、
モバイル用途でなければSRS-X88をおすすめします。
【結論】
 SL3は音量によって、低域のブースト量も変わり、また反射音の制御が
ややシビアでちゃんと鳴らすには楽曲と場所(セッティング)を選びます。
うまくハマると気持ちの良い音を聞かせてくれます。またバッテリー搭載
(14時間連続駆動)で、持ち運びもギリギリ可能なサイズです。
 しかし、今や同価格帯となったSONY SRS-X88(もしくは最新のSRS-ZR7)
の方が音質の面では上回り、モバイルがメインでなければ検討の余地が有
ります。